先日の2部ホープセクション第2節知の大会、大垣ミナモv.s.日本精工の1点をめぐる好ゲームにおいて、本来ならミナモに2点が入っているところを0点でチェンジになるという非常に珍しい出来事がありました。 当然のことながら分類としては「誤審」になるわけですが、今回はそれをあげつらう意味での投稿ではありません。なぜなら実は僕個人もこの一連のプレーが起きた時は何がどうなったのか理解できず、審判の判定に「そういうこと、なのか?…」と不承不承ながらも納得してしまったからです(笑)。このプレーに対して「けしからん!」とその場ですぐに間違いを指摘できたのは、恐らく「おっとっとおじさん」だけでしょう(^^)。 個人的には、この流れを記録したおっとっとおじさんの「ソフトボール迷探偵」ブログのビデオを後日見直し、一連のプレーを丁寧に時系列で並べて振り返ってみて初めて「誤審」だったことに気付いたわけですので、その場で瞬時の判定を強いられた審判団に対して僕個人が誤審を指摘するのはアンフェアかなと思います。 ですので本当はこれも記事にしないでおこうと思っていたのですが、しかしよくよく考えてみると、審判のみならず、実は両軍の選手にもいくつものミスが重なって起きてしまった出来事で、教訓というか教材的にも記録しておくのも大事なのかと思いなおし、このプレーを詳細に報告してみようと思いました。 上記したように、「【ソフトボール迷探偵】」のブログで教えてもらえた知識がほとんどなので、いわばおっとっとおじさんのパクリの焼き直しみたいなものなのですが、たぶん許して頂けると勝手に思っています(笑) ではプレーを場面を追って箇条書きで振り返ります。<一連の出来事を振り返る>背景:「2死二塁で打席にミナモの奥が入る。二塁走者は粕谷」
01:「奥がショートにゴロを放つ」
02:「ショートの安井がこれを後逸、ボールはレフトに」
03:「二走の粕谷は三塁を回ってホームへ、レフトの山岡はボールを拾ってバックホーム」
04:「間一髪のタイミングで走者が滑り込み、送球も来る」
05:「走者と捕手が激突、走者は吹っ飛び、(おそらく)ベースに触れられず、送球も後ろにそれる」
06:「タッグも触塁もないので、球審はアウトセーフの判定は行わず」
07:「本塁送球が逸れるのを見て、二塁に進んでいた打者走者の奥は三塁へ」
08:「それを見て、バックホームで逸れた送球を拾った馬場が三塁へ送球」
09:「その直前、二塁を回ったところで打者走者奥とショートの安井が接触」
10:「打者走者奥は二三塁間で『走塁妨害』とアピール」
11:「ショートの安井は『当たってないです』と見え透いた嘘をアピール(笑)」
12:「これに対して、塁審が『ディレードデッドボール』の指示を出す」
13:「この二三塁間での『走塁妨害アピール」に対し、球審がそちらに意識を取られる」
14:「球審が二三塁間を見ているまさにその時、ホームに突入して吹っ飛んでいた粕谷が改めてホームベースを踏み直す」
15:「しかしよそ見をしていた球審がこれを見逃す」
16:「一方、日本精工の選手は走塁妨害のアピールに気後れしてか次のプレーに移らず」
17:「走塁妨害をアピールし三塁に達していた奥は、安全進塁が認められたわけでもないのに、なぜかノコノコとホームに向かってくる」
18:「ボールがサードから捕手村井に渡される」
19:「捕手の村井がボールをキャッチし、ホームベースを踏む」
20:「球審がアウトのコールをする」
21:「三塁から走ってきた奥がホームベースを踏む」 以上です。 簡潔にまとめたつもりでもこれです。まあややこしい…(笑) でも実は、重要なプレーに関する事実だけを抜粋すると、非常にシンプルになります。 つまり、<プレーの本質部分>
06:「(本塁に突入した走者は)タッグも触塁もないので、球審はアウトセーフの判定は行わず」
14:「(本塁に突入した走者は)改めてホームベースを踏み直す(1点入る)」
18:「捕手の村井がボールをキャッチし、ホームベースを踏む(実はこれでは誰もアウトにできない)」
20:「三塁から走ってきた打者走者の奥がホームベースを踏む(2点目が入る)」 ということです。 つまり、最初の走者の粕谷も打者走者の奥も、タッチされずにホームベースを踏んでいることになります。ということは、実は0点どころか、2点入っていることになります!(笑)<なぜこんなことが起きたか> ではなぜこんなことになってしまったかと言うと、その理由も実はシンプルでただ一つ。
15:「しかしよそ見をしていた球審が(走者のホームベース踏み直しを)見逃す」 この一点なのです。最初の走者がホームベースを踏んでいるところを、二三塁間での走塁妨害アピールに気を取られた球審が見逃した、この一点の誤審につきます。 そんなことがあり得るのか、なんてお思いでしょうが、実は2013年の1部尼崎大会のシオノギ対ルネサスの試合でも起きてます。この時はシオノギの三宅がベースを踏んだのを認められずに、ベンチに帰った時点で走塁放棄とみなされ得点が取り消されたことがありました。実際にこういうことが二度も起きたということも、今回改めて記録しておくことにした理由です。<ではそもそも、どういう理由で誰がアウトになったのか?> これは100%「おっとっとおじさん」に教えてもらった知識の受け売りなのですが、捕手の村井がボールを捕ってホームベースを踏んだ瞬間のアウト宣告なので、おそらく「前の走者の粕谷がベースに触れていないのにベンチに戻ってしまった。それで踏み直しができなくなったので、守備側がホームベースを踏んでアウトのアピールをしたから」ではないかと。ではないか、というか、それしか考えられない、ということでした。 もしこれが、後ろの走者の奥がホームベースを踏んだ瞬間のアウト宣告なら、「前の走者がホームベースに触塁する前に後ろの走者が触塁したことによる“追い越し”」という可能性も出てくることになるのでしょうか。<不幸?にも重なった数多くのミス> さて結局元をただせばこの一連の出来事は、前の走者がホームベースを踏み直したのを球審が見逃したこと、その一点に尽きます。ただまさにその一連のプレーを間近で見ていたものとして、あの三塁方向での「走塁妨害アピール」に対し一瞬気を取られるのも人間として仕方がないのかなと思いました。ただこれは僕も気を取られたから同情してるんであって、おっとっとおじさんのようなベテランの審判経験者には「本塁クロスプレーが未判定で継続中なのに、よそ見をして走者がホームベースを踏み直したのを見逃すなど、審判としてあり得ん!」と怒られそうですが…(笑) ただやっぱり、上記の「01~21」までの出来事が短時間の間にいっぺんにいろんな場所で起きたわけですので、これも審判のミスという以上に「2部リーグで起きる奇跡」の部類に含めてあげたいような気もします。こんなことが起きる2部はやっぱり面白いな、と。甘いですかね?(笑)<これを教訓にするために> ただ「これを教訓」とするためにも、審判以外の当事者であるミナモの選手にも日本精工の選手にも、自らのミスを振り返ってみてもらいたいと思います。<日本精工側のミス>
08:「バックホームで逸れた送球を拾った馬場が三塁へ送球」 →ホームはセーフになったというセルフジャッジをしてしまってます。本塁クロスプレーの判定がなされていないのだから、まずはその走者をタッチしに行かなければダメ。
15:「日本精工の選手は走塁妨害のアピールに気後れしてか、次のプレーに移らず」 →とにかく何でもいいからわけがわからないなら塁間にいる走者にタッグしておくべきです
18:「捕手の村井がボールをキャッチし、ホームベースを踏む」 →フォースプレーじゃないんだから、ああいう場面ではベースを踏むんじゃなく、とにかく走者にタッチしに行くべき。結果的にはアピールプレーになってアウトにはなりましたが、捕手の村井も前の走者がベンチに戻ったのは見てないはず。適当にベース踏んだらアウトになってラッキーだっただけでしょう(笑)<ミナモ側のミス> 不利益を被ったミナモの選手を「ミス」というのも気が引けますが、これは教訓として書きます。
15:「よそ見をしていた球審が(粕谷がホームベースを踏んだのを)見逃した」 →走者はもちろんベースを踏むのが仕事。しかしそれは必要条件ではあっても「必要十分条件」ではありません。つまりベースを踏んだことを「球審に認めてもらって」初めてセーフ、「得点」になるのです(当たり前か)。今回の件でも粕谷はちゃんとベースを踏んではいますがあんなコッソリ踏んでは駄目(笑)。ちゃんと「踏みました!」とアピールしてセーフの判定をもらわないと。これは冗談抜きで必要なことかもですよ。
16:「走塁妨害をアピールし三塁に達していた奥は、安全進塁が認められたわけでもないのに、なぜかノコノコとホームに向かってくる」 →これも言わば自己判断しちゃった場面。ボールデッドではなくディレードデッドボールの状態なのだから基本的にはインプレーと同じ。勝手に進塁できると判断して先の塁に進んじゃっては本当はいけない。 以上、ながながと書いてきましたが、ここでようやく個人的には一つの結論に到達しましたので、最後にそこだけを指摘してこの稿を締めたいと思います。 「そもそもからして、あんな大して難しくもないショートゴロを安井がエラーしなけりゃ何も起きず一塁アウトでチェンジになって済んでいた話し。ということで、一番悪いのは日本精工の安井。これから毎日1000本ノック!(笑)」
↧