大変ご無沙汰しております。昨シーズンは11月に図鑑の出版があったのと年末にかけてもいろいろと忙しく、その後はソフトボール協会さん配信の動画を全試合見て記録をつけるという暴挙に出て、終わった時点でついに力尽き、2ヶ月間の冬眠に入っておりました(昨年の全試合テーブルスコア)。もう3月にもなり、すでにオープン戦シーズンも始まってしまってるのですが、恒例のデータまとめをしておかないとシーズンに入る気分になれないので、かなり遅くなりましたが2016年まとめの記事をいくつかアップします。さあ明日からマドンナオープン。晴れますように…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
**【~2016年飛躍した選手~】 **
☆☆☆大平未沙稀(投手・4年目:白鴎大足利→戸田中央総合病院)シーズン:2013→2014→2015→2016
登板数:2→3→5→16
投球回:2.0→2.0→5.6→64.6
対打者:10→10→28→282
奪三振:0→1→2→18
防御率:7.0→10.5→1.24→2.49
勝利数:0→0→0→3
飛躍という意味では昨年ほぼ完璧な飛躍を遂げたのが戸田中央総合病院の大平未沙稀。 栃木の名門白鴎大足利から入った3年間はほとんど登板機会もなく、3年目の2015年は5試合に登板して投球回数が5回3分の2だけだったのを見ても、経験のためにちょこちょこっと投げさせてもらっただけだった。 3年目までの活躍はほぼ皆無で、何かのスポーツイベントでガチャピンと対戦したことだけが唯一目立った場面だった(でも個人的にはプロ野球選手なんかと対戦するよりよっぽどレアで自慢できるんじゃないかと思っている、笑)。 そんなガチャピン大平が、2016年に突如開花。 規定回を超え、チーム内ではパウリーに次ぐ64回3分の2を投げ防御率2.49は全体9位で日本人では6位。奪三振はこれだけ投げて18個とやや少ないが、四球も19個と少なく(パウリーは39)、持ち味を発揮して丁寧な投球で相手を抑えてきたことがよくわかる。 その投球が最も光ったのが7節高崎大会でのビックカメラ高崎戦。奪三振は見逃し二つを含めても三つだけだったが、ほぼ散発の単打5本だけに抑えて全く危なげなく強豪ビックカメラ高崎から完封勝利をあげた。 実は2016年最初に先発したのは1節のトヨタ戦で、その試合はエラー絡みで自責点は3ながら、初回に満塁弾、2回に3点弾を浴び2回途中で8失点ノックアウト。次に先発した3節地元足利でのデンソー戦でも6回を投げて被安打11の5失点と、実は個人的には前半戦を見る限りではここまで飛躍するとはとうてい思えなかった。 ただエースのパウリーがそこまで好調でもなく、日本人エースの五味彩華が怪我で投げられなかったおかげでチャンスが回ってきて、投げている間に何かを掴んで後半戦一気に成長を遂げたのだろう。 体も大きいしコントロールも良いし、化ければ日立の小薗美希のようなエースになれると思っている。 がんばれガチャピン。<大平未沙稀~2015年4節川口大会Honda戦。2/3回を投げ2安打2四球><大平未沙稀~2016年全日本総合での対織機戦。7回を投げ被安打2、1失点の好投>☆☆山口美紀(投手・3年目:星城→デンソー)登板数:2→9→10
投球回:3.0→21.0→41.3
対打者:16→99→160
防御率:7.0→4.0→1.19
勝利数:0→2→4
地元愛知出身のチーム期待の若手。2年目の2015年の時点ですでに飛躍の芽は出ていたが、2016年は規定回未満ながらほぼデンソーの投の柱の一人に成長した。 2016年は右のエースだった重藤恵理佳がシオノギ製薬に移籍し、左のエースの近藤光がシーズン中ずっと調子が悪かったこともあるが、大事な試合を任されることも多かった。後半7節のトヨタ戦では3回途中からジャクリンをリリーフし、代わり端にタイムリーを打たれて以降延長タイブレイカーで1点を奪われるまでトヨタ打線を無安打に抑える好投だった。 昨年良くなってきていた左の岡野文香も引退してしまったし、近藤の完全復活も少しかかりそうだし、今年は本格的にチームの柱として活躍する年になるだろう。<山口美紀~2014年3月、まだ高校生時代の愛知県一般女子><山口美紀~2016年7節トヨタ自動車戦で好投>☆☆植木千晴(内野手・5年目:星野→ビックカメラ高崎)シーズン:2012→2013→2014→2015→2016
守備機会:5→0→1→2→71
打席数:8→8→17→12→39
安打数:3→2→6→2→10
打点:0→1→7→1→9
塁打数:4→2→12→0→16
実は2年目の2014年に6安打、2本塁打、7打点と飛躍のきっかけを掴みながら、2015年は出場機会が減り安打も2本だけ。ビックカメラはチーム内に有名な選手が多すぎるうえ、内藤実穂や糟屋舞乃のように地味過ぎるのに隠れて活躍しているようなタイプの選手も十分揃っているので、この植木千晴なんかは全く目立つ余地がなかった。いつも、「えっと、この24番誰だっけ」と悩んでたほどで(5年目の選手に失礼な)、正直、植木が3年目に2本もホームラン打ってたなんてこともこの記録を整理するまで気づかなかった。しかもようやく内藤、糟屋、植木の違いがわかりかけてきたのに中西が入ってきたもんだから再び違いがわからなくなってしまった。 そんな植木の2016年飛躍の象徴は、なんといっても一気に増えた守備機会。 間違っていたら申し訳ないが、確かシーズン途中からファーストスタメンか、あるいは代打からファーストに入ることが増えだして、全日本総合で不調(もしくは怪我?)の山本優の代わりにサードに入って大活躍。その後はシーズンに入ってもサードでスタメン出場する機会もあり、結局いろいろ守れるという器用さが重宝されて打席に立つ機会も増えた。 守れると言えば植木はもともと確か捕手もやってたはずで、昨年3節で、負け試合のトヨタ戦だったが最後にマスクをかぶったこともあった。 個人的には5年目にしてようやく覚えた植木千晴。今年はシーズンスタート時点からしっかりと成長を追いかけてみようと思う。<植木千晴~2013年10節マクセル戦。最初の背番号は28><植木千晴~2016年全日本総合決勝。ウィニングボールはライナーでサードを守る植木のグラブに>☆海部栞菜(投手・2年目:木更津総合→IPU環太平洋大→豊田自動織機)シーズン:2015→2016
登板数:4→8
投球回:6.3→23.0
対打者:32→102
奪三振:3→10
勝利数:1→2
豪腕リケッツがおり、栗田美穂もまだまだ健在だったことから登板機会にはあまり恵まれなかったが、それでも出た試合では着実に抑え、そして将来性も考慮され日本代表候補にも選出された。 なんと言っても海部の武器はあの「遅いライズボール(チェンジライズ)」。相手チームも来るのが分かりきっていながらなかなか打てない変化球。織機の大先輩の大魔神高山樹里や、トヨタのアイドル投手露久保望美が得意にしていたボールで、効果的なのに投げられる投手があまり出てこないところを見るとまさに魔球なのだろう。 外国人打者相手にも面白いボールで、今年はあのボールがリーグでどれだけ通用するか(もちろん攻略されるかも含めて)をもっと見てみたい。<海部栞菜~2014年長崎国体。岡山県代表として愛知県相手に先発したが、残念ながら滅多打ちを食らう><海部栞菜~2016年4節、SGホールディングス戦で先発>☆本間紀帆(外野手・2年目:千葉商→戸田中央総合病院)シーズン:2014→2015→2016
守備機会:0→1→23
打席数:2→5→27
安打数:0→0→4
打撃率:0.00→0.00→0.174
本塁打:0→1
まだ飛躍の☆をあげるのは少々早い気もするのだが、個人的に好きな選手だし、ちょっと後悔というか申し訳ない気持ちもあったので少し贔屓してみた(笑) 開幕戦あの強風の千葉マリンスタジアム。海水の飛沫が舞ってベタベタするし、風にカメラのレンズが持って行かれるのでなかなか写真撮影には厳しすぎる環境だった。次の試合のSGH対誘電戦が長時間中断したほどだが、その前のNEC対戸田中戦時もかなりひどかった。 そんな悪天候の5回に打席に入ったのが開幕戦9番センターでスタメン出場の本間紀帆。「まあどうせ打つことはないだろうし」とカメラを構えず見ていた矢先に、まさかまさかのレフトに弾丸ライナーのホームラン…。打った瞬間の写真を撮れなかった以上に、まさか打つとは思っていなかったことが非常に申し訳なかった(笑)。 ただそこで「今年の本間は結構やるかも」と思ってたのだが、結局ホームランはその1本のみなのはかなり寂しい。 外野もしっかり守れるし、体も大きくてパンチ力もあるし、今年はさらなる飛躍を期待したい。 <本間紀帆~2015年6節、トヨタ自動車山根佐由里と対戦><本間紀帆~2016年、開幕戦。この試合は同点につながる犠打と1点差に迫るホームラン。>【アーカイブ】☆☆☆2015年飛躍した選手☆☆☆和田美樹(外野手~厚木商→デンソー→NECプラットフォームズ,6年目)☆☆土肥里奈(中堅手~須磨ノ浦女子→山梨学院大→SGホールディングス,2年目)☆寺本有希(遊撃手~鈴峯女子→SGホールディングス,6年目)☆神田結美(外野手~大津商→甲賀医専→豊田自動織機,4年目)☆鈴木鮎美(三塁手~日出→トヨタ自動車,6年目)☆☆☆2014年飛躍した選手☆☆☆江口未来子(外野手~東海学園高→デンソー,6年目)☆☆☆丸本里佳(一塁手~京都西山高→太陽誘電,3年目)☆☆☆森山遥菜(一塁手~佐賀女子高→Honda,3年目)☆☆☆山崎あずさ(遊撃手~金光桐蔭高→伊予銀行,4年目)☆☆☆藤田倭(打者として~佐賀女子高→太陽誘電,6年目)☆☆☆2013年飛躍した選手☆☆☆尾崎望良(投手,辻→園田学園女子大→太陽誘電)☆☆上原依万里(二塁手&遊撃手,花咲徳栄→戸田中央総合病院)☆☆洲鎌夏子(三塁手,知念→IPU環太平洋大学→豊田自動織機)☆長平雅(DP,京都西山→シオノギ製薬)☆☆☆2012年飛躍した選手☆☆☆中岡理美(DP,デンソー)☆☆☆山中しほ(投手,日立)☆☆☆石濱真実(二塁手,太陽誘電)☆☆佐藤このみ(DP,大鵬薬品)☆又吉薫(遊撃手,Honda)☆唐橋亜由佳(三塁手,シオノギ製薬)☆☆☆2011年飛躍した選手☆☆☆栗田美穂(豊田自動織機)☆☆山下絢(ルネサスエレクトロニクス高崎)☆☆馬渕朝子(トヨタ自動車)☆☆倉成真子(デンソー)☆金尾和美(Honda)☆萩藤寛子(靜甲)☆☆☆2010年飛躍した選手(野手)☆☆☆中山亜希子(大鵬薬品)☆☆☆紺野智美(シオノギ製薬)☆☆渡辺瞳(戸田中央総合病院)☆佐藤みなみ(太陽誘電)☆鮫島憂子(日立ソフトウェア)☆菅野愛(豊田自動織機)☆岡本由香(太陽誘電)☆☆☆2010年飛躍した選手(投手)☆☆栗田美穂(豊田自動織機)☆金尾和美(Honda)☆☆☆2009年飛躍した選手☆☆☆林佑季(日立ソフトウェア)☆☆☆鈴木美加(トヨタ自動車)☆☆蔭山遥香(レオパレス21)☆☆田中梢子(レオパレス21)☆☆大橋美奈(Honda)☆野木あや(デンソー)☆東美紀(戸田中央総合病院)☆☆☆2008年飛躍した選手☆☆☆永吉理恵(レオパレス21)☆☆溝江香澄(日立ソフトウェア)☆☆濱本静代(日立ソフトウェア)☆酒井かおり(豊田自動織機)☆今泉早智(戸田中央総合病院)
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