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Channel: 銀猫の女子ソフトボール観戦記
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【2017年1部第4節刈谷大会④:戸田中v.s.織機~戸田中、織機に10年ぶりの勝利!】

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戸田中央病院 100 0010…2-7-1 豊田自動織機 000 0000…0-6-0 戸田中央総合病院:五味彩華、○ジョーダン・テーラー-坂本結愛豊田自動織機:●栗田美穂-洲鎌夏子(本):(三):(二):【テーブルスコア】【戦評】 試合終了の整列を終えた直後、戸田中ナインが監督を含めてベンチ前で「よっしゃー!織機に勝った!!」と拳を突き上げ大喜びしているのを見て、瞬時には正直違和感を抱いた。それは「え?勝って当然では?」と無意識に思ってしまっていたからで、それくら、この試合の戸田中は実力を発揮しての織機戦完勝だった。 しかしよくよく記録を調べてみると、前回戸田中が織機に勝利したのはなんと今から10年前の2007年刈谷大会にまで遡る(後述)。 それから今までの間にチームは2部落ちも経験し、リーグ戦では10点差以上の大差負けも含めて9年間で織機相手に16連敗。全日本総合なども併せると公式戦20連敗くらいしていたのではないだろうか。それを考えると、確かにあの試合後の大喜びもよくわかる。ただ10年前はそれこそ奇跡の勝利だったが、この日は実力を考えても何ら不思議ではない勝利なのが、大きく違うところだろう。 (ちなみに刈谷でデンソー、織機に連勝した戸田中。次の地元埼玉川口大会でも良い試合をすれば、どうやら会社から何かご褒美が出るらしい。何かなあ?現金かなあ。ワクワク…笑) それはさておき。試合を振り返ると、やはり3回以降にリリーフして織機をゼロ封した戸田中のジョーダン・テーラーが素晴らしかった。チェンジアップが切れっきれで、あのボールには横野と佐藤以外の織機打線は全く手も足も出なかった。先発させた五味彩華が2回を0点で抑えながらスパッと替えた采配も決まった。 敗れはしたが織機先発の栗田美穂も見ていて胸のすくような、いつも通りのテンポのいい軽快なピッチングだった。 ただ初回にヒットで出たサヴァンティーズが初球に一塁から飛び出したが、捕手からの牽制に迷わず二塁に走って盗塁になったのが不運。あれがアウトになっていてくれていたらそのまま7回まで無失点で行けそうな調子だったが、あのプレーはツキがなかった。あと強いてあげれば、6回無死一塁から与えた小沢への四球が1個余分だった。今日の栗田のミスはあれだけだ。 それ以外で試合を左右したのが、両チームの小技の差だろう。 戸田中は初回に売り出し中の本間紀帆、6回に玄人好みの上原依万里の二人のタイムリーで得点したが、その前には坂本結愛と園田未沙が一発で犠打を決めて流れを引き寄せている(6回の1死一二塁から2死二三塁にする犠打も栗田にプレッシャーをかけるいい犠打だった)。 一方の織機は初回に先頭の横野涼がヒットで出塁、3回にも横野が先頭でヒットで出塁とチャンスを作るも、走者を送らせるためだけに2番に入れた大ベテランの西山麗がともにバント失敗で走者を進められなかったことで攻撃のリズムを全く作れなかった。 実は織機は2回と4回も先頭の佐藤光紗が出塁し、そこは続く髙坂香月がしっかり走者を進めたのだが、打順が8番、9番と下位に続いたため得点できず。3番4番の前では走者を送れず、8番9番の前ではしっかり送れたというのは、この日に限っては打順が完全に裏目に出て、織機にはアンラッキーだった。 ただ西山が無死一塁で2回バントを失敗した場面だが、単に西山のミスというより戸田中の守りがミスを誘ったという気がする。あの場面、全盛期の西山ならともかく、今なら「バントしかやってこない」あるいは「上手く転がされても強い打球はない」と、戸田中は内野手もベンチも決めてかかったのではないだろうか。それくらい、ファーストとサードが激しくプレッシャーをかけた。さすがにあれだけプレッシャーをかけられると、レジェンド西山であってもなかなか犠打は決められない。今年の戸田中は、ああいう細かい部分に新監督の田上イズムが浸透してきているのかも知れない。 だとすると、そうやって今までなかなか出来なかった「細かい試合運び」ができるようになるわけで、若手の打者も育ってき、投手も揃ってきた戸田中は単に「上位陣にとって怖いチーム」ではなく、今後は「自ら上位争いをするチーム」になってくるかも知れない。<試合後に一気に喜びを爆発させた戸田中ナイン><3回からリリーフして織機打線を完全に封じたジョーダン・テーラー><織機の栗田美穂も良いピッチングだった>【プレイバック・「2007年戸田中○3-2●織機」】 この2007年の戸田中は前半戦全敗。しかし、この試合では戸田中の歴史に残る伝説の投手「堤千佳子」が、ソフトボール界の歴史に残る「神様ミッシェル・スミス」に投げ勝ち、6節の1勝目に続いてシーズン2勝目をあげた。 序盤、織機は(これもある意味伝説の)稲垣絵莉子投手から2点を先制するも、その後は走塁ミスなどでことごとくチャンスを潰し追加点を奪えず。そうこうしている間に、戸田中はボテボテの打ち損じが内野の間を抜けたり、相手のグラブを弾いた打球が途中で止まったりする奇跡の連続で6回に3-2と逆転。 2回から稲垣をリリーフした堤が織機打線を交わし切って勝利。試合後は多くの選手が涙を流した。 ちなみにこの試合を経験して今もリーグに残っているのは、坂元令奈(トヨタ)、柳井春菜(ビック)、本田美穂(大和電機監督)と、他に移籍した選手だけ。当時の坂本監督も病気療養中だったため、今の戸田中チームには恐らくこの試合の感動を知っている人は誰もいない。<2007年第7節、織機に勝利した瞬間の戸田中ナイン><2007年の織機戦勝利に沸く戸田中応援団。「応援団」とプリントされたTシャツを着ている、これ以上わかりやすい応援団はない応援団(笑)>【先攻:戸田中央総合病院~先発メンバーと交代選手】 1(D):ブリトニー・サヴァンティーズ→(走)高原侑里→(再/D) 2(2):坂本結愛 3(9):本間紀帆→(走/9)高橋愛純美 4(3):小沢佳奈子→(走)水戸久瑠実→(再/3) 5(8):川島怜那 6(5):園田未沙 7(7):上原依万里→(打)松村華子→(再/走7) 8(4):田中江理奈 9(6):長谷川優理→(打)長井美侑→(再/6) FP(1):五味彩華→(1)ジョーダン・テーラー【後攻:豊田自動織機~先発メンバーと交代選手】 1(9):横野涼 2(6):西山麗→(走)金江爽友→(再/6)→(打)下山実咲 3(4):中森菜摘 4(5):洲鎌夏子 5(D):ケイラニ・リケッツ 6(3):佐藤光紗 7(5):髙坂香月 8(8):山科麻由佳→(打/8)永溝早紀→(打)ケイリン・キャスティーヨ→(再/8) 9(7):舛田妃美呼→(打)田井亜加音→(再/7) FP(1):栗田美穂【試合経過】【1回表:戸田中央総合病院~0点】サヴァンティーズ:中前打 ※坂本の打席で初球見逃した時に飛び出し。捕手からの牽制で二塁に走りセーフ。ラッキー。 ※二塁代走に髙原。盗塁成功した走者に代走を送るのも珍しい。坂本:三犠打本間:右前適時打小沢:右邪直川島:二ゴロ<坂本のバント空振りに飛び出したサヴァンティーズがヤケクソで二塁に走って盗塁成功。直後に代走を送られる、w><先制タイムリーの本間紀帆。銀猫的「2016年飛躍した選手」が今年は完全に開花した>【1回裏:豊田自動織機~0点】横野:セフティバント・三安西山:空振り三振(3球) ※バントがファールで最後は転がしに行くも当たらず中森:右飛・タッチアップ・送球失(三塁) ※ライト本間から二塁への送球が逸れる洲鎌:四球(ストレート)リケッツ:見逃し三振【2回表:戸田中央総合病院~0点】園田:三ゴロ(髙坂好プレー)上原:一ゴロ田中:三ゴロ【2回裏:豊田自動織機~0点】佐藤:中前打(ゴロで二遊間を抜く)髙坂:一犠打山科:空振り三振舛田:スラップ・投ゴロ(3-2から)【3回表:戸田中央総合病院~0点】長谷川:二ゴロ(強い打球)サヴァンティーズ:見逃し三振坂本:三直弾く左前打 ※テンポラリー走者は出さず。本間:二ゴロ【3回裏:豊田自動織機~0点】 ※戸田中は投手交代、五味→ジョーダン横野:右前打(チェンジアップを巧く拾う)西山:バント・三ゴロ二封(間一髪)中森:中前打(ゴロで二遊間) ※二塁代走に金江洲鎌:空振り三振(3-0から3-2となり、最後はチェンジ)リケッツ:空振り三振 ※金江に代わり西山がショートに再出場<テーラーのチェンジアップを拾ってヒットにする横野涼。横野が徐々に復調してきたのは頼もしい><西山麗のバントはチャージしてきたファースト小沢佳奈子の二塁送球で封殺>【4回表:戸田中央総合病院~0点】小沢:二ゴロ川島:四球園田:捕犠打松村(打←上原):死球(初球、ユニフォームの腹をかする) ※代走に上原が再出場田中:二ゴロ ※二遊間よりの難しいバウンドを中森が軽く処理<難しいバウンドをいとも簡単に処理する中森菜摘>【4回裏:豊田自動織機~0点】佐藤:四球髙坂:スラップ・二ゴロ二進永溝(打←山科):空振り三振(3球)田井(打←舛田):空振り三振 ※代打の永溝がそのままセンター。田井に代わりレフトに舛田が再出場【5回表:戸田中央総合病院~0点】長井(打←長谷川):三ゴロサヴァンティーズ:二ゴロ(強い打球)坂本:左飛 ※長谷川がショートに再出場【5回裏:豊田自動織機~0点】横野:二ゴロ西山:空振り三振(ハーフスイング)中森:空振り三振(チェンジ2球)【6回表:戸田中央総合病院~1点】本間:左前打(ゴロで三遊間を鋭く) ※代走に高橋小沢:四球 ※代走に水戸川島:遊ゴロ三封(一二塁)園田:三犠打(二三塁)上原:左前適時打(一三塁)田中:遊ゴロ ※代走の高橋はそのままライトへ。水戸に代わり小沢がファーストへ再出場<再び本間紀帆がヒットでチャンスメイク><粘りに粘った上原依万里がレフトに技ありのタイムリー>【6回裏:豊田自動織機~0点】洲鎌:三ゴロリケッツ:投ゴロ佐藤:右前打(強いゴロで二遊間)髙坂:右前ポテン安(一三塁) ※髙坂二盗で二三塁 **キャスティーヨ(打←永溝):遊ゴロ ※代打のキャスに代わりセンターに山科が再出場<2死二三塁。一打同点の場面で取っておきの代打ケイリン・キャスティーヨだったが、ショートゴロで万事休す>【7回表:戸田中央総合病院~0点】長谷川:右邪飛サヴァンティーズ:二後方ポテン安(ライトの打球)坂本:三ゴロ二封 ※イレギュラーバウンドを髙坂が反応よくキャッチ高橋:右前打(クリーンヒット) ※途中守備から入った高橋がヒット小沢:左邪飛 ※舛田が俊足を飛ばしてフェンス際で追いつく【7回裏:豊田自動織機~0点】舛田:スラップ・三半直横野:四球(3-2からぎりぎり)下山(打←西山):空振り三振(外のファストボール)中森:一ゴロ【試合終了】

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