ルネサス高崎 021 0200…5-4-0
豊田自動織機 000 0000…0-3-0
ルネサスエレクトロニクス高崎:○上野由岐子-我妻悠香豊田自動織機:●ケイラニ・リケッツ、栗田美穂-ケイリン・キャスティーヨ(本):中野久美(ル)(三):(二):山本優(ル)【テーブルスコア】【戦評】 前日の誘電戦で7回9四死球と乱調だった織機のリケッツだが、この試合は5回途中で9死四球と輪をかけての大乱調。これではさすがに試合にならず、織機はまるで見るべき場面もないまま2014年のシーズンを終えてしまった。 5回2死から登板した栗田が、途中出場の代打陣相手が多かったとはいえ実にテンポのよい気持ちいいピッチングで7打者を抑えただけに、「いっそ栗田で行った方が面白い試合になったかも」と思われた。とにかくぽんぽんストライクを奪いどんどん攻める栗田のピッチングは見ていて本当に爽快で気持ちが良い。 安打数はルネサスが4本で織機が3本とほぼ変わらないので、結局はリケッツの乱調が試合を壊したのは確かだが、ただ昨日今日と「ちょっとストライクゾーンが狭すぎではないか」と思われるほど、際どいところをボールにされて悔しがる捕手の表情を何度も見た。ストライクゾーンが極端に狭いとやはり変化球投手にはより不利になり、1球のボール判定が試合を左右することになる。 それを象徴するのが2回、特に中野久へのリケッツの2球目。1死から大工谷に3-2としながらも四球を与え、中野の初球もボール。2球目、チャンジアップでタイミングを外したがストライクを取ってもらえず2ボール。この2球目がストライクなら試合展開も変わっただろうが、ボールになったことで安易にストライクを取りに行った3球目を狙われて先制のツーランホームラン。上野を相手に序盤でのこの2点は、織機の戦意を削ぐには十分なものだった。 ただやはりあの場面、2-0ながら「簡単にストライクを取りに来る」と狙いを定めてフルスイングし、そして一発で仕留めた中野久美がやはり素晴らしかった。次の決勝戦でもアボットから「幻のホームラン」もあったし、この大会の中野の活躍は本当に素晴らしかった。 さて敗れた織機だがこれで決勝トーナメントではルネサス相手に2008年から4連敗。7年間勝てていないことになる。 ここ数年は「なんとかベスト4に残る」ことが目標で、「決勝でルネサスやトヨタを破って優勝する」ことまでを目標とできるチーム作りができていない。できていないというか、その余裕がないのが実情だろう。 主力選手の活躍だけに頼るのではなく、「この選手はアボットには強い」というような右打者が出てきたり、「この選手は上野相手にもごちゃごちゃと細かい嫌らしい打撃ができる」という打者が、もっと控え選手から出てこないと。そうまさに昨年までルネサスにいた関友希央のような選手が控えの中から出てこないとなかなか今のトヨタとルネサスを決勝の舞台で破ることはできない。 とにかく控えを含めた全体的なレベルアップが必要不可欠。そしてリーグ戦においてもリケッツに頼らなくても勝てるチームを一から作り直すつもりで臨まないと、優勝どころか来年はベスト4の記録も途切れてしまうだろう。 そんな危機感を持ってしまうほど見どころのない敗戦だった。来年に向けての戦いはもう始まっている。やはりファンとしては、そろそろ織機の優勝する場面を見せてほしいのだ。【先攻:ルネサスエレクトロニクス高崎~先発メンバーと交代選手】
1(5):山本優
2(3):大久保美紗
3(4):市口侑果
4(D):峰幸代→(走)27→(再)→(走/D)小松美樹
5(9):森さやか→(走/9)小野沙也加
6(8):大工谷真波→(打)相馬満利→(再)
7(7):中野久美→(打)内藤実穂→(再)
8(2):我妻悠香
9(6):柳井春菜
FP(1):上野由岐子→(1)黒川春華【後攻:豊田自動織機~先発メンバーと交代選手】
1(8):狩野亜由美
2(5):洲鎌夏子
3(4):中森菜摘
4(7):国吉早乃花
5(1):ケイラニ・リケッツ
6(3):佐藤光紗
7(9):横野涼→(OPO)
8(2):ケイリン・キャスティーヨ→(走/D)中村白→(再2)→(9)舛田妃美呼
9(D):永溝早紀→(2)→(D)→(2)
FP(6):高坂香月【試合経過】【1回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~0点】山本:左前打大久保:投ゴロ・二進市口:見逃し三振峰:二飛【1回裏:豊田自動織機~0点】狩野:三ゴロ(山本好プレー)洲鎌:三ゴロ中森:見逃し三振【2回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~2点】森:中飛(3-2から)大工谷:四球(3-2から)中野久:左中間2点本(2-0から) ※コントロールが定まらず、2-0からストライクを取りに行った棒球我妻:二飛柳井:三直(洲鎌がグラブをはじかれるも宙に浮いたボールを再びキャッチ)<中野久美が狙いすました一発でルネサスが2点を先制>【2回裏:豊田自動織機~0点】国吉:見逃し三振(3-2)リケッツ:左飛佐藤:空三振(捕手後逸も一塁アウト)【3回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~1点】山本:左翼線二塁打大久保:死球市口:投ゴロ・進塁(二三塁)峰:四球(ストレート)森:一ゴロ※(二三塁に) ※一塁線の打球、佐藤が緩慢な守備でホームでフォースプレー取れず。転送された一塁はアウト大工谷:遊飛【3回裏:豊田自動織機~0点】横野:セフティバント捕ゴロキャスティーヨ:中前打 ※代走に中村永溝:空振り三振 ※三振の時にパスボールで中村は二塁へ狩野:左前打 ※二走の中村がホームを狙うもタッチアウト<狩野亜由美がヒットも中村白が本塁タッチアウト。この1点が入っていたら…。もちろん刺したのは今年の決勝トーナメントで大活躍のレフト中野久美>【4回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~0点】 ※織機はDPの永溝が捕手に、代打の中村がOPO
中野久:四球(3-2)我妻:三ゴロ・二進柳井:投ゴロ・三TO
山本:四球(3-2)大久保:死球市口:二ゴロ二封【4回裏:豊田自動織機~0点】洲鎌:三ゴロ中森:空振り三振国吉:左直【5回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~2点】峰:四球 ※代走に小松森:左前打 ※代走に小野大工谷:死球 ※織機は捕手にキャスティーヨが再出場、永溝はDPに中野久:空振り三振我妻:押出し四球柳井:右犠飛 ※エンドランを強くスイングして上げてしまうもライト後方への飛球。三走の小松がリスタートして生還 ※織機はリケッツに代わりショートに宮澤、FPに投手栗田山本:右邪飛<織機は投手に栗田美穂が登板。打者7人をパーフェクトに抑える>【5回裏:豊田自動織機~0点】宮澤:空振り三振佐藤:中前打横野:二ゴロ二封キャスティーヨ:二ゴロ【6回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~0点】大久保:二ゴロ市口:見逃し三振小松:中飛【6回裏:豊田自動織機~0点】永溝:見逃し三振狩野:空振り三振洲鎌:遊ゴロ【7回表:ルネサスエレクトロニクス高崎~0点】小野:二ゴロ
(打)相馬:遊ゴロ
(打)内藤:遊ゴロ【7回裏:豊田自動織機~0点】 ※ルネサスは大工谷、中野久が再出場中森:一ゴロ国吉:見逃し三振 ※ルネサスは投手に黒川
(打)小柳:投強襲三ゴロ ※小柳必死のヘッドスライディングも及ばず<ルネサスも最後は黒川春華が一人だけ登板>
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