日本リーグの記録特集今回は投手に関して。 いつものように基本的には全投手を対象にして、比率のデータに関しては、 “試合当たりの比率=投球回数20回以上の投手” “打者当たりの比率=対戦打者数50人以上の投手” について計算しています。 ※ちなみに今年はNECプラットフォームズの三木綾菜が歴史に残るような大車輪の活躍をしたので2001年以降の15年間の記録と比較しています(文中「史上最多」とかいう記述があればそれは2001年以降最多の意味です)。【投手の総合評価の一例】 ちょっと試しに今年の成績からそれぞれの投手に「相対的な点数」をつけてみることにしました。 まず投手の能力をはかる指標としてはシンプルに四球、三振、被安打、自責点の4つに絞ります。 そしてこの4つの指標からよく知られた3つの数値を簡単に計算します(下に例としてそれぞれのベスト5を掲載)。<K/BB率(ベスト5)>
12.10( 85.0) モニカ・アボット
_7.07( 97.0) 上野由岐子
_5.44( 39.0) サラ・パウリー
_5.43( 50.3) 栗田美穂
_5.25( 30.6) 尾﨑望良<被打率(ベスト5)>
0.117(304) モニカ・アボット
0.123(_96) 近藤光
0.174(367) 上野由岐子
0.175(399) モーガン・メロー
0.181(167) 山根佐由里<防御率(ベスト5)>
0.58( 85.0) モニカ・アボット
0.65( 43.3) 山根佐由里
1.08( 97.0) 上野由岐子
1.57( 22.3) 近藤光
1.78( 94.3) モーガン・メロー さて、ここからがインチキ臭いところなのですが(笑)、それぞれの項目で順位ごとに点数をつけます。 20回以上投げた投手が今年は33人いたので、1位には33点、2位には32点とつけていって33位には1点、ということになります。 そして投手ごとに点数を足し合わせ、それを99(=33x3)で割って、100をかけたものを今年のその投手の「相対的点数」ということにしましょう。 理論的には3項目全てで1位なら100点満点、でも全てで最下位でも1点にならないのでいずれ改良します。 下がその点数による投手の順位です(20位まで)。もちろんどこのチーム相手に投げたかで大きく違いますが、まあそんなおかしくはないのかと思います。
1(100.00)モニカ・アボット
2(94.95)上野由岐子
3(89.90)山根佐由里
4(81.82)モーガン・メロー
4(81.82)藤田倭
6(80.81)サラ・パウリー
7(76.77)ケイラニ・リケッツ
8(74.75)栗田美穂
9(73.74)小薗美希
10(72.73)ジョーリン・ヘンダーソン
11(67.68)近藤光
12(65.66)カーヤ・パーナビー
13(63.64)尾﨑望良
14(58.59)アンドレア・ウィリアムソン
15(52.53)重藤恵理佳
16(51.52)濱村ゆかり
17(49.49)泉礼花
18(46.46)山中しほ
19(44.44)ジャクリン・トレイナ
20(43.43)内海花菜※個人的な感覚で言うと、90点以上なら超一流、80点以上で一流、70点以上なら日本A代表クラス、50点以上で日本B代表クラス、40点以上なら欠点もあるが一芸に秀でた好投手、的な感じ。あくまで今年のデータに関してですが。【投球回数】
132.00 三木綾菜
119.00 藤田倭
97.00 上野由岐子
96.67 K・パーナビー
94.33 M・メロー ※2014年は藤田倭で103.3回、2013年は菊池遥で107.0
※三木の132回は歴代14位の記録(2001年以降の最多は2002年坂井寛子の155.6回)【登板試合数】
22 三木綾菜
20 藤田倭
19 山中しほ
18 上野由岐子
17 M・メロー
17 K・パーナビー ※三木が全試合登板達成!(昨年は岩田みゆきの19試合が最多)。 ※三木が初かと思われそうだが、実はすでに8人が到達しており三木が9人目(延べ12人目)。 ※ということで2001年以降の全試合登板選手を下に列挙します。<2001年以降の全22試合登板投手>
2001 遠藤有子(大徳)
2002 浅木明香(伊予銀行)
2002 坂井寛子(戸田中央総合病院)
2004 山口綾子(トヨタ自動車)
2005 清水麻琴(戸田中央総合病院)
2005 山口綾子(トヨタ自動車)
2005 遠藤有子(日立)
2006 清水麻琴(戸田中央総合病院)
2007 松村 歩(シオノギ製薬)
2008 上野由岐子(ルネサス高崎)
2009 藤原麻起子(日立)
2015 三木綾菜(NECプラットフォームズ)【完投・完封】<全完投数>
16 三木綾菜
14 藤田倭
10 M・メロー
9 K・パーナビー
8 上野由岐子 ※2014はK・リケッツの11、2013年はメローの9が最多。三木の16完投は圧巻。<完封勝ち>
4 藤田倭
4 M・メロー
3 上野由岐子
3 K・パーナビー
2 M・アボット
2 近藤光
2 K・リケッツ ※2014年はアボット、ヘンダーソン、リケッツの4、2013年はアボットの4が最多。 ※ここ最近外国人投手に奪われていた最多完封数をメローとタイではあるが藤田が奪い返す<完投勝ち(完封除く)>
5 山中しほ
4 M・アボット
3 木村久美ほか5人<完投負け>
13 三木綾菜
7 藤田倭
3 上野由岐子 ※三木の13完投負けは恐らく史上最多では? ※ちなみに2014年はパーナビーの4、2013年は菊池とストークスの4が最多。三木の13が如何にすごいか。【対戦打者数】<シーズン合計>
654 三木綾菜
460 藤田倭
367 上野由岐子
410 K・パーナビー
399 M・メロー ※三木の「654」は実は2007年堤千佳子の「609」を抜いて過去最多。ダントツ。 ※2014年は430で藤田、2013年は509で菊池遥。【投球数】
2,601 三木綾菜
1,753 藤田倭
1,713 M・メロー
1,669 K・パーナビー
1,352 K・リケッツ ※三木の2,601は過去15年間でもダントツ。ほんとすごい。よく投げた。 ※2014年は1,611で藤田倭、2013年は1,781で菊池遥<1回あたり投球数・少ない5人(かっこ内は投球回)>
13.1(_97.0) 上野由岐子
14.6(_85.0) M・アボット
14.7(119.0) 藤田倭
15.2(_39.0) S・パウリー
15.6(_30.6) 泉礼花 ※2014年は14.2で尾﨑望良、2013年は13.9で上野由岐子。尾﨑は今年は15.7で6位。<1回あたり投球数・多い5人(かっこ内は投球回)>
21.6(_23.3) 関根有希
20.3(_26.6) 金尾和美
19.7(132.0) 三木綾菜
19.5(_21.0) 山口美紀
19.2(_43.0) 内海花菜 ※2014年はA・ウィリアムソンで21.3、2013年は23.5で松本優香【防御率】<ベスト10(かっこ内は投球回)>
0.58( 85.0) M・アボット
0.65( 43.3) 山根佐由里
1.08( 97.0) 上野由岐子
1.57( 22.3) 近藤光
1.78( 94.3) M・メロー
1.91( 33.0) J・ヘンダーソン
1.94(119.0) 藤田倭
1.98( 46.0) 小薗美希
2.19( 83.0) K・リケッツ
2.23( 50.3) 栗田美穂 ※規定に達していない投手としては山根と近藤の防御率がやはり良い ※2014は0.96で山根佐由里、2013年は0.31でモニカ・アボット<ワースト10(かっこ内は投球回)>
8.08( 30.3) 菊池遥
7.21( 22.3) 比嘉マユミ・ニウゼ
6.00( 23.3) 関根有希
5.57( 27.6) 金澤理沙
5.41(132.0) 三木綾菜
4.77( 22.0) 長谷川朋子
4.73( 26.6) 金尾和美
4.56( 43.0) 内海花菜
4.30( 70.0) 五味彩華
4.12( 34.0) 庄司奈々 ※2014年は11.04(26.0)で菊池遥、2013年は9.57(26.3)で松本優香 ※時に完封もするようなみんな良い投手ではあるのだが、たまに滅多打ち食らったのが響いてしまう【被安打】<シーズン合計>
207 三木綾菜
91 K・パーナビー
80 藤田倭
75 五味彩華
75 邱安汝
71 木村久美 ※三木は2位の倍以上の被安打で、実は史上初の200被安打超え ※むしろそれだけ投げ続けたと言うことでこれは勲章でもある ※2014年は82で藤田倭、2013年は154で菊池遥<被打率・ベスト5(カッコ内は対戦打者数)>
0.117(304) M・アボット
0.123(_96) 近藤光
0.174(367) 上野由岐子
0.175(399) M・メロー
0.181(167) 山根佐由里 ※M・アボットでも1割は打たれているのかと逆に驚き ※対戦打者数は少ないが近藤はやっぱり良い投手だ ※2014年は0.139でモニカ・アボット、2013年は0.123でケイラニ・リケッツ<被打率・ワースト5>
0.404(112) 比嘉マユミ・ニウゼ
0.403(_91) 豊永優
0.398(123) 関根有希
0.383(137) 金澤理沙
0.382(156) 菊池遥 ※比嘉は良い投手というイメージが強いが、今年は意外と打たれていた ※2014年は0.402で菊池遥、2013年は0.411で松本優香【被本塁打】<シーズン合計>
25 三木綾菜
13 山中しほ
12 藤田倭
8 K・パーナビー
8 庄司奈々 ※2014年は16で岩田みゆき、2013年は14で3人。 ※過去最多は昨年の岩田の16だったので、25は初の20超えで最多 ※ホームランに関しては毎年打球が飛ぶようになっているので三木は災難<ワースト被本塁打率(1試合当たり,全投手対象)>
4.5(4.6-3) 福井遥香
4.2(3.3-2) 西岡里恵
4.1(1.6-1) 樋口麻知子
4.1(1.6-1) 大西里帆子
3.5(2.0-1) 木村胡桃 ※カッコ内は投球回-被本塁打数 ※なぜかHondaの二人がワンツー。二人で8回投げて5本も打たれてる。田井のせいだな(笑) ※2014年は4.3で金澤理沙、2013年は4.8で北岡志帆【奪三振】
121 M・アボット
110 M・メロー
99 上野由岐子
88 藤田倭
88 K・パーナビー ※アボットが3年ぶりでトップ。6位が83のリケッツで7位以下は40台 ※2014年は96でリケッツ2013年は126で上野由岐子<奪三振率・高い5人(一打者を三振に取る確率、カッコ内は対戦打者数)>
0.398(304) M・アボット
0.316(155) S・パウリー
0.276(584) M・メロー
0.270(367) 上野由岐子
0.243(341) K・リケッツ ※アボットは今年も4割近い奪三振率 ※パウリーが2番目。日本人では7位に山根佐由里、8位に重藤恵理佳、 ※2014年は0.361でアボット、2013年も0.480でアボット<奪三振率・低い5人(一打者を三振に取る確率、カッコ内は対戦打者数)>
0.0440(91) 豊永優
0.0442(113) 長谷川朋子
0.0446(112) 比嘉マユミ・ニウゼ
0.0474(654) 三木綾菜
0.0584(137) 金澤理沙 ※2014年は0.049で関根有希、2013年は0.029で長尾美希<K/BB率(奪三振/与四球、カッコ内は投球回数)~ベスト10>
12.10( 85.0) モニカ・アボット
_7.07( 97.0) 上野由岐子
_5.44( 39.0) S・パウリー
_5.43( 50.3) 栗田美穂
_5.25( 30.6) 尾﨑望良
_4.25( 43.3) 山根佐由里
_3.67(119.0) 藤田倭
_3.17( 43.0) 内海花菜
_3.14( 96.6) K・パーナビー
_2.83( 46.0) 小薗美希 ※12.1とアボットが驚異的な数字。上野は例年通り。 ※5点台のパウリー、栗田、尾﨑の3人もトップレベル ※2014年は9.50でモニカ・アボット【四死球・暴投・不正投球】<シーズン合計与四球>
56 三木綾菜
49 M・メロー
39 山中しほ
34 五味彩華
32 K・リケッツ ※三木の56は2010年のステーシー・ネルソンの58個に次いで歴代2位 ※2014年は45でモーガン・メロー、2013年は53で山中しほ<1試合あたり与四球数。カッコ内は投球回-個数>
16.7(1.6-4) 樋口麻知子
12.6(1.6-3) 大西里帆子
6.8(15.3-15) 豊永優
6.6(6.3-6) 海部栞菜
6.2(5.6-5) 大平未沙稀 ※2014年は6.4でアンドレア・ウィリアムソン、2013年は7.6で豊崎貴世<シーズン合計与死球数>
15 K・リケッツ
9 上野由岐子
9 M・メロー
9 山中しほ
9 木村久美
9 三木綾菜 ※2014年は15で岩田みゆき、2013年も20で岩田みゆき ※2016年は恐らく岩田が死球王に返り咲くはず!<1試合あたり与死球数>
21.0(1.6-5) 17 大西里帆子
7.0(2.0-2) 14 木村胡桃
2.2(6.3-2) 32 海部栞菜
2.1(3.3-1) 17 西岡里恵
1.5(4.6-1) 25 福井遥香 ※1.6回投げて5死球の大西はBC高崎戦での2者連続死球押出とかまで行くと逆に尊敬する(笑) ※2014年は2.1で邱安汝、2013年は2.1で松本優香 ※50打者以上<シーズン合計暴投数>
6 K・リケッツ
6 山中しほ
4 五味彩華
4 邱安汝
3 上野由岐子
3 藤田倭 ※毎年左腕投手が暴投王だが今年は左腕二人が並んでトップ ※2014年は5で岩田みゆき、2013年は7で田家由里<不正投球>
2 長谷川朋子
2 M・メロー
2 A・ウィリアムソン
1 K・リケッツ
1 尾﨑望良
1 泉礼花
1 金澤理沙
1 三木綾菜【参考~全投手の「投球回数」と「登板試合数」、「対戦打者数」】
132.0 22 654 三木綾菜(NECプラットフォームズ)
119.0 20 460 藤田倭(太陽誘電)
_97.0 18 367 上野由岐子(ビックカメラ高崎)
_96.6 17 410 カーヤ・パーナビー(SGホールディングスグループ)
_94.3 17 399 モーガン・メロー(Honda)
_85.0 16 304 モニカ・アボット(トヨタ自動車)
_83.0 16 341 ケイラニ・リケッツ(豊田自動織機)
_70.0 19 321 山中しほ(日立)
_70.0 15 326 五味彩華(戸田中央総合病院)
_67.3 13 311 木村久美(伊予銀行)
_58.6 11 271 邱安汝(ペヤング)
_51.0 13 237 ジャクリン・トレイナ(デンソー)’- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘※規定投球回ここまで(51回)※‘- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘
_50.3 15 201 栗田美穂(豊田自動織機)
_46.0 13 185 小薗美希(日立)
_43.3 13 167 山根佐由里(トヨタ自動車)
_43.0 13 199 内海花菜(伊予銀行)
_39.0 6 155 サラ・パウリー(戸田中央総合病院)
_37.6 9 174 アンドレア・ウィリアムソン(戸田中央総合病院)
_37.0 11 162 加藤あずさ(SGホールディングスグループ)
_36.3 12 153 濱村ゆかり(ビックカメラ高崎)
_34.0 10 151 庄司奈々(伊予銀行)
_33.0 10 139 ジョーリン・ヘンダーソン(デンソー)
_30.6 8 124 尾﨑望良(太陽誘電)
_30.6 9 125 泉礼花(日立)
_30.3 12 156 菊池遥(ペヤング)
_27.6 12 137 金澤理沙(ペヤング)
_26.6 11 127 金尾和美(Honda)
_26.0 11 114 重藤恵理佳(デンソー)
_23.3 10 123 関根有希(SGホールディングスグループ)
_22.3 10 96 近藤光(デンソー)
_22.3 8 112 比嘉マユミ・ニウゼ(ペヤング)
_22.0 10 113 長谷川朋子(Honda)
_21.0 9 99 山口美紀(デンソー)‘- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘※20投球回以上※‘- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘
_18.6 10 88 中野花菜(ビックカメラ高崎)
_16.3 9 69 平原かすみ(トヨタ自動車)
_15.3 6 91 豊永優(NECプラットフォームズ)‘- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘※50打者以上※‘- - - - - - - - - - - - - - - - - - -‘
__9.0 6 43 井俣茉莉(豊田自動織機)
__7.3 8 35 奥田絵美(豊田自動織機)
__6.3 4 32 海部栞菜(豊田自動織機)
__6.3 2 30 山口清楓(日立)
__6.0 4 36 細野了華(トヨタ自動車)
__6.0 6 30 貫彩紗(ペヤング)
__5.6 5 28 大平未沙稀(戸田中央総合病院)
__4.6 4 25 福井遥香(Honda)
__3.3 2 17 西岡里恵(Honda)
__3.0 1 16 森真里奈(太陽誘電)
__2.6 2 10 岡野文香(デンソー)
__2.0 2 8 中村友佳(トヨタ自動車)
__2.0 3 14 木村胡桃(ペヤング)
__1.6 3 15 樋口麻知子(SGホールディングスグループ)
__1.6 2 17 大西里帆子(伊予銀行)
__1.3 2 4 中村美樹(戸田中央総合病院)
__1.0 1 5 千葉美咲(SGホールディングスグループ)
↧